まずかったゴハン


その5 照り焼きキチン “まずいというより、やばかったバンゴハン”
仕事が遅くなったので、たまたま冷蔵庫の中にあった鶏もも肉を使って、照り焼きキチンを作ろうと試みた。鶏肉を切って、熱したフライパンに並べ蒸し焼きに。ある程度火が通ったら、醤油・みりん・砂糖で味を調え、全体がきつね色になるまで炒める。そうしてできあがった照り焼きキチンを味見しようと、箸で小さいひとかけらをつまんだら、片栗粉でとろみをつけたわけでもないのに、すすーっと、鶏肉から、ありえない長ーい糸が引いた……。
どうやら腐っていたようだった。味のアクセントにと思ってわさびまで練ったのに。
まずい料理を作ったときもへこむが、腐った食材を気がつかずに調理してしまうのも、結構へこむことが分かった。途中で気づけよ、俺。(2002.6.7)

その4 八丁みそ味でばら肉を使ったビーフストロガノフ
タイトルですでに矛盾しているのだが……。なんとなく洋食っぽいものが食べたくなり、ビーフストロガノフでも作ろうかと思い立ったが、牛肉は冷蔵庫にはなく、仕方なく豚のばら肉の薄切りを使おうと思った。しかし、冷蔵庫の八丁みそが目に、『そういえば“ほっかほか亭”でみそ豚丼てのを売っていたな』と、思わなくていいことを思いつき、玉ねぎと豚肉を炒めて八丁みそで味付け、片栗粉でとろみをつけた。そのうえ、ビーフストロガノフなんだからとご飯にかけたら、これがまた微妙な味だった。(“最近のバンゴハン3月4日(月)”参照)
でも“ビーフストロガノフ”ってどこの国の料理なんだ? “ガノフ”ってところがロシアっぽいのだけど……。


その3 ぬるいいなり寿司
僕はいなり寿司が好きで、機会があれば自分でいなりあげを作って、いなり寿司を作りたいと考えいた。その日は思い立っていなり寿司を作ろうと思い、油揚げを煮汁で煮て、ご飯を炊いた。炊き上がったご飯には酢と生姜のみじん切りとごまを入れ、東京風のいなり寿司を目指していた。そしていなりあげにあったかい酢飯を入れてバンゴハンとなったとき、妻が「うわっ、このいなりずし、ぬるくてヤダ」と思いもしなかったコメント。
せっかく精魂込めて作った料理も、食べる人の趣向でくつがえされるいい例。“2002年2月18日”参照。


その2 関東風ねぎ焼き
関西には“ねぎ焼き”という、青ねぎ(関西で“ねぎ”とはこれをさすそうだ)を使った、具がねぎだけのお好み焼きがあると、関西人の友人に聞いたことがあった。関西にいったことのない僕は、どんな料理か想像することもできないくせに作ってみようと思い立ち、関東では一般的な“白ねぎ”の青い部分を使ってお好み焼きを作ってしまった。とんでもない料理だった。白ねぎの青い部分は固いうえに独特のにおい(硫化アリル)が鼻をつき、口に含むことすらできず、そのままゴミ箱へ。自分をとても恨んだ瞬間だった。


その1 味なしトマトソースマカロニ
独身時代、イタリア料理にとんと縁のない生活をしてきたので、トマトソースの作り方が全く分からなかった。バジルって? オレガノって? ニョッキって? そんな状態で初めてのトマトソース。ただ単に缶のホールトマトをオリーブオイルで炒めただけ(塩もこしょうも入っていない)の代物で、マカロニも賞味期限の切れた全粒粉のものを使ったもんだからパサパサ。まったく味のしないうえに、全粒粉のコナっぽさが鼻につくパスタ料理だった。妻もひとくち食べて、ぼそっと「まずい……」。
でもイタリア料理音痴の僕でもなぜかグラッパだけは知っていたのだ。